「ねぇ、起きないの?」



そんな台詞に返事をするのも面倒だ










「ねぇ、死ぬの?」

「分からない」

「死にたいの?」

「何でそんなこと聞くの?」


しかも、そんなに楽しそうに聞くなんて悪趣味としか言えない

そんな人と一緒に居る私も悪趣味かもしれないけど…


「そんな顔してるよ」

「どんな顔ですか…」


「そーゆう顔だってば」



優しく笑って唇に触れてくる

素直に嬉しいと思えないのは現状が気に入らないのか

それとも、貴方の笑顔が気に入らないのか





は、死んだら駄目」



声に、言葉に、姿に、貴方に、全てに呪縛される

異常な心地良さと息苦しい束縛感が堪らなく愛しいと思った



「死ぬことまで束縛するの?」

の全部じゃないと気が済まないんだよ」



貴方への想いに気付かなければ、こんなに依存することもなかったでしょう

きっと私は最高に幸せ者で、貴方は最高に不幸者



それでも愛してしまったんだから仕方ないでしょう?










「愛してるよ」

「私の方が愛してます」

「絶対にオレの勝ち」

「絶対に私の勝ち」


こんな言い争いで笑い合えるなんて滑稽な関係ですね


そんな関係が大好きで失いたくないと思うのも事実だけど



が死んだら悲しいよ」

「それだけ?」

「じゃあ、オレも殺して」

「嫌」

「言うと思った」



貴方が死ねば無意味だから、殺さない










「でも、私は殺して」

「それって超ワガママ」

「最後の望みくらい叶えてよ」



吐き気を拭い去るように、目の前の唇にかみ付いた



「…痛いんだけど」

「それで良いの」





その痛みを覚えていれば私が貴方の中に残るから

少しで良いよ、忘れないで





「まあ、殺さないけどね」

「知ってます」










今の貴方には私が必要不可欠



今の私には貴方が必要不可欠















「気長に待ってれば殺してやるよ」

「その日を待ち焦がれてます」










貴方の腕の中で息苦しい程の永遠を感じられたら

これ以上の幸せは存在しないと思うのです
























(依存と束縛を望んだのは、君じゃなくてオレだから)










(君以上にオレは幸せ者なんだよ)