君が傷付かないと退屈だ





「オレを怒らせたいの?」

「そんなんじゃ…」

オレの視線から逃れようと俯いて言い訳を探している

まあ、視線を逸らしたとしても壁に押し付けてるから身体は逃げられないんだけど



「アイツと何してたの?」

「何って別に屋敷の中を案内してただけで…」

「敵に屋敷案内するんだ?」

「基地抜け出して暇だって言うから…」

「…そーゆうの聞きたくない」

「ッ!!」


の態度に苛々して髪を掴んで壁に叩きつける

声にならない声を上げながら怯えた表情でオレを見るが堪らなく愛しかった

こんなことに快感を覚えるなんて悪趣味としか言いようがないと他人事のように思ってみたり





「…痛い」

「好きでしょ?」

「好きじゃない」

「嘘吐き」


言葉で否定してる筈なのに態度は肯定的で思わず笑ってしまう

まあ、端から見ればオレが悪者にしか見えないだろうけど、他人の目なんかどーでもいい



が悪いんだろ?」

「…ごめんなさい」

「本当に反省してんの?」

「うん」

「ふーん…」


少し悩む素振りを見せた後に掴んでいた髪を離して乱れた髪をキレイに整えてあげる

不思議そうな顔でオレを見ながら、自分でも髪を整え始めた


「もう終わり?」

「まだ怒られたいの?」

「うーん…」

「躾されたい?お仕置きされたい?」

「…微妙」

「じゃあ、後でね」

そう言い残して、部屋を立ち去ろうとしたら力強く袖を捕まれた



「何?」

「何処行くの?」

「部屋に戻るだけ」

「…私も行く」


少し恥ずかしそうに笑ってオレより先に自室を出ようとするの後ろ姿を見ながら

部屋に着いたら真っ先に今言ったことを実行するのも良いかもしれないなーなんて考えた







ワガママは言ってないよ



オレ以外を見るなら



オレ以外と話すなら



オレ以外の声を聞くなら



オレ以外に触れるなら







目が見えなくなって



喋れなくなって



何も聞こえなくなって



身体も全部消え去って



朽ち果てたキミを殺して







オレも死んであげるから









(これも一種の愛情表現)